VIAレールの大陸横断列車カナディアン号を徹底解説!バンクーバー~ジャスパーの移動なら、この鉄道の旅がおススメ!

バンクーバー
カナディアンロッキー最高峰のマウントロブソンとカナディアン号 (C) VIA Rail
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カナディアンロッキー最高峰のマウントロブソンとカナディアン号 (C) VIA Rail

バンクーバー~トロント間を4泊5日かけて結ぶVIAレールの大陸横断列車のカナディアン号。さすがに3泊4日となると、誰にでも楽しめますよ!とお勧めできるようなものではなく、よほど鉄道好きな方でないと楽しめないシロモノですが、1泊2日くらいなら、旅の楽しみのひとつとしてちょうど良い長さです。このカナディアン号では、バンクーバーとカナディアンロッキーの北玄関ジャスパーを結ぶ列車がちょうど1泊2日なり、アクセスしづらいジャスパーへの足にもぴったりです。途中にはカナディアンロッキー最高峰のマウントロブソンが拝めるかもしれないという絶好のルートを走り、車窓も楽しめるので、まさにお勧めのコース。今回はこのカナディアン号の客室の種類や、その他列車内の設備などの詳細をご紹介。

2013年9月、筆者自身がバンクーバー~エドモントン間にて、一人用個室を利用して乗車しました。その際、車内設備や注意点を徹底的に見てまいりました。そのレポートはVIA鉄道カナディアン号 乗車記にまとめましたので、ぜひご一読を!

スケジュール

毎日運行されているわけではなく、週3便のみ。2014年夏のスケジュール(5月1日~10月31日)は以下の通り。

バンクーバー発(火曜、金曜、日曜)20:30 ⇒ ジャスパー着(水曜、土曜、月曜)16:00

ジャスパー発(日曜、火曜、金曜)14:30 ⇒ バンクーバー着(月曜、水曜、土曜)09:42

バンクーバー発の場合、日本からの直行便の到着はJAL、エアカナダともに午前中なので、市内で観光などを楽んだ後、列車に乗り込むというスケジュールも可能。

ジャスパー発の場合、マリーンレイクのクルーズなど、サクッと観光する時間的余裕もあります。

カナディアンロッキーの車窓は上下どちらでも楽しめますが、夏場のジャスパーからバンクーバー行きだと、早朝フレーザーキャニオンの風景も見ることが出来ます。

座席、寝台、各クラスの詳細

大別するとエコノミークラス(座席車/旧称コンフォートクラス、コーチクラス)とスリーパープラスクラス(寝台車/旧称シルバー&ブルークラス)となり、スリーパープラスクラスではダイニングカーでの食事が料金に含まれるのと、列車最後尾に連結される展望ラウンジカーであるパークカーへのアクセスが可能というのが大きな違い。スリーパープラスクラスには、バース(開放寝台。一昔前のA寝台と同系)、個室(1名~4名用の4種)、そしてスイートと多種多彩なアコモデーションが揃っています。

では、各クラスごとの特徴を見てみましょう。

各クラスの説明で公式サイトのフォトギャラリーへのリンクを付けていますが、こちら一般の方のギャラリー(flickr)でもたくさんの画像が見られます。

エコノミークラス

エコノミーの座席は1泊くらいなら十分に耐えられる快適性あり (C) VIA Rail

最も安く済ませるなら、もちろんエコノミークラス。シーズンや混み具合にもよりますが、料金は最安値でバンクーバー~ジャスパー片道$130強。

座席車ですが、具体的なシートピッチや座先幅の数値は見つけられませんでした。ただ、見た目や着席した感じでは、日本のグリーン車並のシートピッチがあると思います。リクライニングは約40度まで倒すことができ、レッグレストが装備されていることもあって、かなり快適です。フルフラットとは言えませんが、フルリクライニング+レッグレストで、ビジネスクラスに着席した程度の睡眠は得られると思います。その他の特徴や注意事項としては・・・

  • エコノミークラスには食事は一切含まれておりません。食堂車も利用できますが、別料金。その他車内販売も全て別料金です。(詳細は後述)1泊2日程度なら、必要な食料は持ち込むことで出費をセーブ。
  • 大きな荷物は乗車時に預けられますので、スーツケースなどの置き場の心配は不要。ただし、預けた荷物は下車した後でないと受け取れませんので、必要なものは必ず手荷物にしておいてください。(こちらも詳細は後述)
  • 2階部分がドームになった展望車スカイラインカーへのアクセスが可能。(こちらも詳細は後述)

エコノミークラスの車内画像はVIAレール公式サイトのこちらのページへアクセスし、ページ中央の画像の横にある

Economy class

Roomy seats, accessible for everybody.

> To find out more

のリンクをクリックすると、フォトギャラリーのページに切り替わるので、その右下にある「View the slideshow」をクリック。これでギャラリーへアクセスできます。

スリーパープラスクラス バース(開放寝台)

バースは日本の開放A寝台と同じ構造 (C) VIA Rail

日本で言うところの開放A寝台そのもので、昼間は座席になり、夜間は上下段の寝台になります。寝台の大きさは幅109cm x 長さ178cm。日本のA寝台は長さ190cmほどあるので、少し狭めですね。料金は下段の方が高く、上段が片道$340強~、下段が$400強~が目安。

寝台への換装は各車両のアテンダントが行います。大体夕食時に合わせて行われますので、夕食後は着席できず、ベッドに入ることになります。ただ、遅めにベッドメイキングを希望する場合、その旨アテンダントに伝えれば、対応してくれると思います。その場合、チップをはずんであげると良いでしょう。

また、スリーパープラスクラスの乗客はドーム展望車スカイラインカーや最後尾の展望車パークカーなど、自分の座席以外にも居場所はたくさんありますので、ベッドが作られてしまったからといって、寝なくてはいけない、というわけではありません。(スカイラインカーとパークカーについては後述)

トイレ、シャワーともに同じ車両内にあり、シャワーは寝台車利用の乗客は無料で使用できます。

こちらの寝台の詳細やの車内画像はVIAレール公式サイトのこちらのページで見られます。

スリーパープラスクラス 個室

個室といえど、ベッドメイキングされてしまうと、あまり居場所はなく、荷物の置き場もかなり限られます。 (C) VIA Rail

1名~4名までの4種類があります。いずれも個室内に、洗面台、トイレ、110V電圧のコンセント(日本と形状は同じ)などがあります。料金目安は1名個室約$515~、2名以上の個室は、1名個室料金に人数をかけて数字が目安です。

1名個室の場合、トイレ、洗面台は寝室とは独立しておらず、全てが1室内にあります。夜間はベッドがトイレに覆いかぶさるので、一旦ベッドを作ってしまったら、車両内にあるトイレ(開放寝台の乗客が使うもの)に行くことになります。この同室内にトイレがあるということについて、あまり否定的な意見を見かけないのですが、私は始めてみたときに、独房?というような印象を受けました。2名以上の個室の場合は、このようなことはなく、トイレ・洗面台はきちんと独立しています。シャワーは個室内にありませんが、車両内にあるシャワールームを自由に使用できます。もちろん、スカイラインカーとパークカーへのアクセスも可能です。

因みに3名用の個室は1便1室のみなので、確保は困難を極めます。4名用は2名個室2室をつなげたものです。

こちらの詳細やの車内画像はVIAレール公式サイト内の1名個室2名個室3名個室4名個室、各ページにて見られます。

スリーパープラスクラス スイート

2名個室2室分の面積を使用してダブルベッドを置いた特別仕様室。しかし、トイレと洗面台はあるものの、客室内にシャワーはなく、車両内の共用シャワーを使用しなくてはいけません。この客室の詳細と画像はこちらで。料金は公式サイトでも出てこないため、旅行会社などを使っての問い合わせベースとなります。

スカイラインカーとパークカー

一旦座ったら、なかなか離れられないスカイラインカーのドーム座席 (C) VIA Rail

スカイラインカーは編成途中に組み込まれる2階建て展望車で、1階部分には車内販売スペースや、夏季繁忙期には簡単な食事が楽しめるカフェがオープンします。ただし、このカフェでは、スリーパークラスの乗客であっても、食事は全て有料。含まれる食事はあくまでダイニングカーでの食事のみとなります。スカイラインカーはエコノミークラスの乗客でもアクセス可能ですが、エコノミーとスリーパープラスでは対応が異なり、スリーパープラスクラスでは、コーヒー、紅茶、フルーツ、クッキーなどが1日中無料で供されるの対し、エコノミーでは全て有料となります。眺めが良いこともあり、ロッキーなどの風光明媚な区間では、満席になることも珍しくありません。特に個室寝台にいると、風景が片側しか見えないため、昼間はスカイラインカーで過ごすことも多くなると思います。車内販売コーナーではバーもあり、アルコール類の販売も行われています。

パークカーのラウンジはワンランク上の雰囲気 (C) VIA Rail

パークカーは編成最後尾に連結される2階建て展望兼ラウンジカー。こちらはスリーパープラスクラスの乗客のみがアクセス可能。スカイラインカーのような2階ドーム部分に加え、最後尾の展望ラウンジがあります。こちらでもコーヒーや紅茶、クッキーなどが無料。別料金でアルコールも購入可能です。ラウンジではライブパフォーマンスが催されることもあります。

食事

ダイニングカー(食堂車)と車内販売があります。

ダイニングカー

仮に4日乗っても、メニューは毎日変更される。 (C) VIA Rail

寝台の各クラスの料金にはダイニングカーでの食事が含まれます。含まれる食事は以下の通り。(VIA鉄道の英語サイトですが、それぞれ食事のリンクから、メニュー詳細が見られます)

バンクーバー ⇒ ジャスパー 乗車翌日の朝食及び昼食

ジャスパー ⇒ バンクーバー 乗車当日の夕食及び乗車翌日の朝食

テーブルは4人がけとなっているので、1名や2名で利用する場合、相席になることがあります。

エコノミークラスの乗客もオフシーズンに限り、ダイニングカーの利用は可能です。ただし、基本スリーパープラスクラスの乗客が優先なので、使えないと思っておいたほうが良いでしょう。

ちなみにお値段はあまり安くはありません。上記寝台車を利用した場合と同じメニューですが、メイン、前菜、スープなどがばら売りされるので、コース料理でなくとも、楽しむことができます。以下、各食事のメニューと料金です。(料金は税込み、チップ別)

バンクーバー ⇒ ジャスパー 乗車翌日の朝食及び昼食

ジャスパー ⇒ バンクーバー 乗車当日の夕食及び乗車翌日の朝食

車内販売

展望車スカイラインカーの1階に車内販売コーナーがあり、そこでサンドイッチなどの軽食、アルコールを含む飲み物の購入が可能です。また、夏季繁忙期(通常6月~9月)のみですが、スカイラインカーでも食事が可能です。いずれもものすごい高いというわけではありませんが、やはり市中に比べると高めの料金設定です。1泊2日の乗車なので、ある程度持ち込みすれば、乗車中の食事はしのげると思います。

荷物

預けられる荷物は1人3個までで、荷物1個に付き、3辺の和が120cm、重さ23kgまでとなります。持ち込みの荷物は1人2個まで、荷物1個に付き、3辺が66cm x 46cm x 23cm以下で、重さが23kgまで。

VIA鉄道はフライトと同じで、預けた荷物は荷物車に積み込まれるため、下車駅まで取り出すことが出来ません。車中泊となるので、洗面用具、着替え、その他貴重品などは、予め手荷物に入れておく必要があります。

タバコ

全席禁煙。列車内でのタバコは一切不可です。途中カムループスでの長めの停車があるので、停車中に車外で喫煙となります。

バンクーバー ⇒ ジャスパー カムループスで早朝6:00~6:35の停車。

ジャスパー ⇒ バンクーバー カムループスで深夜23:09~23:44の停車。

コメント

  1. 石川 あき子 より:

    6月にバンクーバーからジャスパーへこちらの便を利用する予定です。  バースにしたいと思っていますが、 昼、カムループスからジャスパーへの時間はスカイラインカーの座席を確保したいと思うのですが、進行方向向かって、風景を楽しむには左右どちらの席がいいか教えて頂けないでしょうか? よろしくお願いいたします。

    • Blue Works より:

      石川様
      私が乗車した際、曇り空だったので、100%見えたわけではないのですが、私は進行方向右側がよかったと思います。
      ロッキーの山々は、左右どちらでも見えますし、特にスカイラインカーの2階ドーム部分であれば、上方の視界が広く、かなりの部分をカバーできます。右側がお勧めな理由は、ジャスパー手前にあるムースレイク、イエローヘッドレイクという湖が見える点ですね。
      管理人

  2. s より:

    エコノミークラスで$130強とありましたが、どのようにして、その値段のチケットを、購入しますか?(なんだかインターネットでは、どれも高いものばかりで)

    • Takeshi Shimomura / Blue Works より:

      Sさま

      シーズンや予約までの期間、混み具合によっても変わりますが、たとえば、10月16日のバンクーバー→ジャスパーなら、Economy – Escape fareという料金で$131.25という料金が出ています。
      9月中旬まではかなり混み合っているので、安い料金はあまり出てこないかもしれません。この辺りは航空券の料金変動と同じような感じです。

      管理人

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