ジャパンレールパスを利用して、急行はまなすで青森から札幌へ。

ジャパンレールパス
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今回はカナダのお話ではなく、外国から日本に行くお話。

外国人旅行者並びに海外在住者向けのJR乗り放題パスであるジャパンレールパス(通称JRパス)ですが、今回は取材を兼ねて、7日間で鹿児島中央から札幌まで全国行脚。その途中で乗ったのが、今や日本唯一の定期急行列車となった「はまなす」です。JRパスを利用する外国人旅行者にもひそかに人気のある列車ですが、今回は乗車前の準備から乗車時の様子などをまとめてみました。

予約

JRパスでは昼間の列車はのぞみとみずほを除き、JR路線内を走る全列車指定席に乗車可能ですが、夜行列車で寝台を利用した場合は扱いが異なり、寝台料金はもちろんのこと、昼間の特急ではカバーされる特急・急行料金ですらカバーされません。しかし、これが寝台ではなく指定席だと話は別。昼間の列車と同じ扱いになります。

はまなすにはカーペットカーと呼ばれるフェリーの桟敷席のようなものや、元々グリーン車で使っていたシートを使ったドリームカーと呼ばれる2種の指定席があります。特にカーペットカーは横になって眠れるため、いつも売切れになるほどの人気席とのこと。しかし、ジャパンレールパス利用者は海外にいるため、発売開始日である1ヶ月前の10時にみどりの窓口に行って切符を買うわけにはいきません。そんな折、私が運営する別のサイトで、JR東日本のネット予約「えきねっと」やJR西日本の電話予約サービス「おでかけネット」の使用法を教えてくださる方がいました。JR東日本のえきねっとでは、ジャパンレールパス利用者でも追加料金無しでネット予約が可能と聞きましたが、夜行列車全て予約対象外。JR西日本が運営するおでかけネットでは、日本全国のJR列車の予約が可能と聞いたので、早速そちらへ電話。おでかけネットはJRパスのためのものではなく、JRパスでカバーされるような列車であっても、最低特急・急行料金は払う必要があります。はまなすの場合も同様で、カーペットカーは名目上「指定席」なので、本来JRパスでは追加料金無しで乗車可能なのですが、急行指定席料金を払わなくてはいけません。パスでカバーされる料金を払うことになりますが、日本到着後では、出発1週間前を切っており、それからみどりの窓口に行っては売り切れ必至なので、クレジットカードで料金を払ってカーペットカーを確保しました。

指定席急行券なので青森~札幌で1770円。そんなに大きな金額でもなく、これで確実に座席が確保できるのであれば、良しとします。因みにチケットの予約は発売日の朝11時ごろに電話をしましたが、人気の上段はすでに売り切れ。見込みが甘かったようで、上段を取るためには発売日時である1ヶ月前の10時きっかりに電話すべきだったようです。

日本到着後、何度かみどりの窓口に足を運び、上段のキャンセルがないか確認しましたが、結局入手できず。そんなこんなで乗車当日となりました。

青森駅近辺で入浴と食事

到着時の青森は吹雪!

乗車当日、青森には20時ごろに到着しました。はまなすは22:42に出発なので、かなり時間がありますが、風呂と夕食を済ませたいということで、早めに到着。というわけで、青森駅から徒歩10分の場所にあるのが、青森まちなかおんせん。かけ流しの温泉ではありませんが、内容とロケーションは申し分ありません。青森から夜行に乗る場合には、非常にありがたい施設です。入浴料も420円とリーズナブル。混んでいる日には、ロッカーもいっぱいで使えないという話も聞きましたが、私が入浴した際には旅行者らしき人はおらず、ほぼ地元の人たちで、ロッカーも十分に空いていました。

食事処ふる河亭

こちらの温泉には食堂「食事処ふる河亭」も併設されています。レストランというより食堂という表現の方が適当な雰囲気で、食券を買って、料理ができたら、自分で取りにいくセルフサービス形式。ビールなどのアルコールもありますし、ホタテやイカのお刺身といったおつまみ系もありました。私はここで食事するつもりはなかったのですが、外は氷点下の吹雪で風呂上りで駅近くまで歩くと風邪引きそうだったので、ここで一休みして食事も済ませることにしました。から揚げ定食とビール小で950円。大広間のような座敷で2時間ドラマを見ながらのお食事はまずまずでした。

駅に戻りがてら、駅前の商店街を通ります。居酒屋系の店はいくつかあるものの、1人でふらっと入って食事できるような場所は多くありません。駅前から伸びる新町通りにあるファミレスのガスト(深夜2時まで営業)か、駅ビルにあるイタリアントマトカフェJr(22時まで営業)くらいが妥当な場所でしょうか。

最後に乗車前に駅前にあるファミリーマートで朝食のためのパンとおにぎりを購入。はまなすの車内では飲み物の自販機しかありませんので、最低限の食べ物と飲み物を持ち込んだほうが無難だと思います。

乗車する

カーペットカーで毛布を広げると、こんな感じ。結構眠れます。

青森駅の案内では22:15ごろに列車は入線するということでしたが、やや遅れて、22:25ごろに入線。車内に入り、B寝台、ドリームカー、自由席、そしてカーペットカーと、全ての座席を見ましたが、料金と内容のバランスはカーペットがずば抜けていると思います。年間通して売り切れになることが多いというのもうなずけます。私が乗車した3月19日も当然満席でした。もうひとつの指定席のドリームカーも、元々グリーン車で使われていた座席ということで、悪くはないのですが、如何せんカーペットカーが良過ぎるため、どうしても見劣りしてしまいます。ドリームカーは乗車率50%と弱いったところで、1人で1ボックス4席を使っている人もいるほどでした。

右がはまなすのカーペットカー。左がサンライズ瀬戸ののびのび座席。

階段下のスペースは荷物置き場にぴったり。

さて、カーペットカーの設備。測ったわけではありませんが、大体B寝台と同じくらいのスペースだと思います。カーペット敷きのスペースに枕とかけ毛布、ハンガーがあります。以前、同じようなタイプの座席であるサンライズ瀬戸ののびのびシートに乗車したことがありますが、あちらは枕も毛布もなく、横になって眠るスペースがあるだけなので、はまなすのカーペットカーの設備は破格のものだと思います。旅の疲れもありましたが、私はぐっすりと寝込んでしまいました。

カーペットカーの上段(21番~28番・うち21・22番は女性専用席)は、半個室に近い作りでプライバシーもかなり保てるため、人気が高い座席ですが、下段でも悪くはありませんでした。特に私の区画は9番で上段席への階段の横だったのですが、その階段の下にスペースがあり、荷物を収納するのにピッタリのスペースでした。それぞれの区画にお客さんがいらしたので、はっきりと確認したわけではありませんが、4(女性専用席)・9・14・17番がそれぞれ階段横なので、荷物のスペースがある席と思われます。

実際に乗った際の客層ですが、道内のどこかに向かうであろう年配の方が多く、小さいお子さん連れのお母さんなどもいました。鉄道ファンが多いのではないかという私の想像とは少し異なり、ドリームカーでは若い女性も結構見かけました。いつも安全です!と断言できるわけではありませんが、女性が乗車される際の参考意見のひとつとお考えください。

札幌到着

青函トンネル内への進入も全く知らないまま熟睡してしまいましたが、翌朝、苫小牧到着直前に列車が完全にストップして目が覚めました。先行する貨物列車に遅れが出ているためとのアナウンス。その後、貨物列車が鹿をはねてしまい、その対応に時間がかかるということで、かなりの遅れが発生してしまいました。結局札幌には84分遅れで到着。こういうこともありますので、やはり飲食できるものは、ある程度用意して乗車したほうが良いみたいですね。

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