ジャパンレールパスで成田到着当日に寝台特急あけぼのに乗車

旅情をそそる上野発の夜行列車 (C) Blue Works
旅情をそそる上野発の夜行列車 (C) Blue Works

日本国籍の方へのJRパスの販売は2017年年3月末日で終了となります。
これまで諸外国で永住権を所持している方、日本国外に居住する外国人と結婚している方であれば、購入可能でしたが、今回の変更で販売は外国のパスポートを所持し、短期滞在で入国される方のみが対象となります。販売は3月末日ですが、引き換えは6月30日まで可能ですので、3月末日に購入し、6月に日本を旅行することは可能です

※2014年3月、あけぼのは定期列車としての運行が廃止されました。多客期の臨時列車扱いとなりましたので、ご注意ください。

現在、JRパスで追加料金なしで乗ることの出来る寝台列車は3つ。東京~高松/出雲市のサンライズ瀬戸/出雲の「のびのびシート」、青森~札幌のはまなすの「カーペットカー」および「ドリームカー」、そして、上野~青森のあけぼのの「ゴロンとシート」です。サンライズとはまなすは以前乗車し、残すはあけぼののみ。しかも、寝台特急日本海や急行きたぐにの季節列車格下げなど、取り巻く状況は厳しくなるばかり。あけぼのもダイヤ改正のたびに、改廃が取り立たされるほどの状況です。

今回はそのあけぼのに乗車することを目的の一つにしましたが、3泊5日という過密日程で、前後のスケジュールを考えると、日本到着日に乗車するしか時間がありません。どうしても乗りたい場合、JR西日本のおでかけネットを使う(詳しくはジャパンレールパスで使用する指定席券を海外からオンラインで予約する方法を参照)のですが、これはJR西日本、JR四国、JR九州管内でしかチケットの受け取りができず、今回のように成田到着日に乗車する列車の場合、この方法が使えません。JR東日本にもえきネットというオンライン予約サイトがありますが、これは夜行列車の予約が一切できません。つまり、今回の旅では出たところ勝負以外、方法がありません。

そこで、到着直後にその夜の列車を予約して、予約が可能なのかどうかという点、成田到着から上野までにかかる諸々の時間、そして、実際の混み具合などをレポートしたいと思います。

成田到着

外国人旅行者用カウンターを利用。駅の改札横ではありません。(C) Blue Works
外国人旅行者用カウンターを利用。駅の改札横ではありません。(C) Blue Works

向かい風が弱かったのか、16時ごろ到着の予定が15時過ぎと1時間早く到着。おかげでかなり時間に余裕が出来ましたが、やるべきことを早急に済ませるため、大急ぎで入国、税関を抜け、16時にはゲート外へ。すぐにJRの外国人旅行者専用カウンターに行きたいところ、まずは予約しておいたWIFIモバイルルーターのピックアップへ。不測の事態に備え、スマホからでもネットアクセスができるよう、まずは連絡手段の確保です。
そして、16時過ぎにはJR成田空港駅の外国人旅行者専用カウンターへ行き、パスを交換。そして、予約を試みました。結果は以下の通りです。

第一希望 ゴロンとシート(追加料金なし) 満席
第二希望 B寝台ソロ個室(追加料金9130円) 空席あり
第三希望 B寝台(追加料金9130円) 空席あり

予想通り、ゴロンとシートは満席でした。ゴロンとシートはB寝台の設備を利用したもので、B寝台との違いは浴衣やリネン類がないというもの。ただ、横になって寝ることができるというのは大きな魅力で、そのためゴロンとシートだけは季節を問わず人気が高く、常に完売とのこと。当日にアタックして満席と聞いてもやむを得ません。

次に第二希望のソロですが、思いのほか空席あり。こちらも満席を予想していて、もう二度と乗ることができないかもしれない「あけぼの」であれば、昔ながらのB寝台でも良かろうと考えていただので、ソロが確保できたのは予想外でした。ただ、B寝台ならともかく、カプセルホテル並みに狭いとはいえ、同じ料金でプライバシーの確保された個室のBソロが当日購入できてしまうという事実は、この列車の将来を考えるとやはり心もとないという考えもあり、複雑な気分でした。

あとは都心へ移動するだけですが、時間に余裕があったので、ついでにシャワーを利用。(成田空港第一ターミナルのシャワールームを利用してみた。の記事参照)元々あけぼのにはシャワーがないので、どこかで汗を流しておきたいとの考えてました。先に上野に移動し、駅から銭湯(駅から徒歩15分ほどにある寿湯)に行くことも考えたのですが、スーツケースがあり、これを預けられるサイズのコインロッカーに空きがあるかどうかがわからなかったので、成田空港で済ませてしまいました。

では、17:16の成田エクスプレスに乗車し、東京へ向かいます。

成田空港~東京の移動

というわけで、成田エクスプレスで東京へ・・・と思ったら、アクシデント。総武本線での人身事故の影響で、全列車が運行見合わせ。駅員さんに確認すると、1時間はかかるであろう、とのこと。ただ、その影響を受けて、同じく止まっていた京成はちょうど運行を開始したので、京成への振り替え乗車券をもらい、京成のカウンターへ。ただ、この振り替え券は通常の列車しか適用されず、特急券が必要なスカイライナーは、全額自腹になってしまいます。2400円かかるのですが、スカイライナーには乗ってこともないし、急遽17:19発のスカイライナーに変更。

というわけで、Designed by 山本寛斎のスカイライナーに乗車 (C) Blue Works
というわけで、Designed by 山本寛斎のスカイライナーに乗車 (C) Blue Works

最高速度160kmのスカイライナーで、18時過ぎには上野到着です。

翌日は秋田~東北新幹線で東京まで戻ってくるため、何かと邪魔なスーツケースを東京駅のコインロッカーに預けにいきました。京成から山手線への乗り換えは、上野より日暮里の方が近くて便利なのですが、実際、荷物を持って京成上野駅からJR上野駅まで移動すると、どの程度かかるのかを知りたく、敢えて上野で下車しました。それほど、離れているわけではないのですが、最短距離でわかりやすい方法だと地上を通っていくことになり、雨が降っている日は面倒です。上野自体が目的地でなく、山手線乗換えであれば、やはり日暮里乗換えが便利でしょう。

上野駅にて、乗車前の夕食と買出し

夕食は上野駅浅草口出てすぐにある中華料理屋「龍門」でラーメンと餃子。いわゆるやすーい、大衆中華料理屋ですが、味は結構イケます。(C) Blue Works
夕食は上野駅浅草口出てすぐにある中華料理屋「龍門」でラーメンと餃子。いわゆるやすーい、大衆中華料理屋ですが、味は結構イケます。(C) Blue Works

あけぼのには食堂車はもちろん、車内販売も、自動販売機すらありません。乗車前に食事を済ませることと、夜食や朝食の用意は必須です。私は秋田で06:38下車なので、到着後の朝食でも問題ない時間ですが、天候やトラブルで予定時刻に着かないこともありますし、最低限の食料の確保をおススメします。ちなみに下り青森行きのあけぼのでは、秋田駅ホームで駅弁の販売があります。これは車内放送でも案内されますが、販売は3号車付近で行われます。停車時間はわずか4分なので、3号車ドア付近での待機が必要です。また、何かの事情でいないことをも考えられますので、やはり、事前の準備は欠かせないと思います。

乗車

サラリーマンの出張という風体の人から、一般の観光客まで、いろんな人が写真を撮りまくってました。やっぱり夜行列車には独特の雰囲気がありますね。 (C) Blue Works
サラリーマンの出張という風体の人から、一般の観光客まで、いろんな人が写真を撮りまくってました。やっぱり夜行列車には独特の雰囲気がありますね。 (C) Blue Works

ざっと車内を見たところ、当たり前ですが、ゴロンとシートは大盛況。男である私には、女性専用者のレディースゴロンとシートの空き状況の確認すらできないわけですが、上野出発時点で、ほとんどのセクションが埋まっており、ニーズの高さをうかがい知ることができます。ゴロンとシートはジャパンレールパスでは無料で乗れる格安のものですが、一般の乗客の皆さんにしても、特急券と乗車券だけで乗ることのできるお得なものですから、当然です。

次にB寝台を確認すると、ガラ空きです。翌朝4号車を見てみると、使われている寝台はわずかに2台のみで、あとは全部空いていました。私が乗ったのは1月下旬の平日で閑散期ではありますが、これでは廃止と言われても、仕方のない状況だと思います。

そして、私が乗ったB寝台ソロですが、こちらも乗車率7割といったところ。成田で指定券を確保した際、予想外にBソロが取れ、深く考えずに上野まで来ましたが、実際に自分の個室を確認すると、これが下段。

上段の階段のでっぱりが木になる下段。入り口のドアは高さ140cmほどしかなく、180cm超の私が入室するのは至難の業。(C) Blue Works
上段の階段のでっぱりが木になる下段。入り口のドアは高さ140cmほどしかなく、180cm超の私が入室するのは至難の業。(C) Blue Works

もともと狭いBソロでも、もう少し開放感のある上段へ、この場に及んで変更をトライ。ホーム横のみどりの窓口に行き、変更希望を伝えると、あっさりと確保できました。

一夜の宿となるBソロの上段。天井に向かってカーブした窓が魅力的! (C) Blue Works
一夜の宿となるBソロの上段。天井に向かってカーブした窓が魅力的! (C) Blue Works

後で見てみると、上段はほぼ埋まっており、下段は半分くらいの乗車率といったところ。

最後に一番豪華なA寝台シングルデラックスですが、これは満室。結構なお値段なんですが、快適性が格段に違うので、やはりニーズがあるのでしょう。

あとは列車に揺られて、晩酌しながら、寝るだけ。至高のひとときです。(C) Blue Works
あとは列車に揺られて、晩酌しながら、寝るだけ。至高のひとときです。(C) Blue Works

そうこうしているうちに、列車はガクンと振動を立て、上野から出発。通勤列車で家路に付く人たちを横目に見ながら、大宮、そして高崎と停車。そのまま寝込んでしまいました。

一夜明けて秋田へ

時差ぼけで、4時過ぎに停車のあつみ温泉で目を覚ました。日本に帰国すると、最初の数日はいつも早朝(というか未明)に目が覚めます。寝台は山側だったので、隣の4号車のB寝台に移動し、通路のいすに腰掛けて、何となく車窓に目をやります。このあたりは海岸線を走り、車窓のきれいな区間として知られていますが、もちろん、この時間では真っ暗で何も見えません。何か見えるかなというわずかな期待は木っ端微塵に砕かれました。ただ、改めてB寝台見ても、やはりほぼ無人状態。こんな状態なら、いっそゴロンとシートとして販売すれば良いのに、と考えてしまいます。ゴロンとシートは実際に売り切れているわけですから、多少増やしても、ある程度の乗車率は稼げ、空気を運ぶB寝台よりは絶対にマシだと思うのですが・・・

B寝台のほとんどの区画が未使用の状態。ものすごく無駄な空間に思えてしまいます。 (C) Blue Works
B寝台のほとんどの区画が未使用の状態。ものすごく無駄な空間に思えてしまいます。 (C) Blue Works

真っ暗で風景も見えず、自分の個室に戻って、二度寝。やがて秋田に到着です。

秋田にて

当日は天候に恵まれましたが、やはり東北。雪があるのが当たり前。(C) Blue Works
当日は天候に恵まれましたが、やはり東北。雪があるのが当たり前。(C) Blue Works

車内放送であったとおり、弁当屋さんはいました。ホームに向かって走っていく乗客の姿が見えます。ここで弁当を逃すと青森到着まで食べ物にありつけないわけですから、皆さんすごい形相で走っていきました。

私はここで下車し、あけぼのの旅を終えました。

最後に

B寝台乗車にかかる9130円という追加料金はJRパスユーザーにとっては決して安くないと思います。私は秋田まで乗車でしたが、秋田でも青森でも5000円以下でビジネスホテルも簡単に見つかりますし、東北&秋田新幹線ならパスですべてカバーされ、列車にかかる一切追加料金は発生しません。私のように乗ること自体が目的でなければ、追加料金払ってB寝台に乗るのはコストに見合わず、乗車お勧めできません。

車両は良くも悪くも、ブルートレインそのものの車両で、車両もかなりガタが来ており、内装も結構くたびれています。私のように帰国当日乗車でなければ、秋田のホテルを押さえておいて、ゴロンとシートが取れれば、ホテルをキャンセル。ダメなら、そのままホテルに宿泊という方法も取れます。また、先に関西方面に行くなら、事前におでかけネットの電話予約を利用して、ゴロンとシートを押さえておくという方法もあります。ただ、この場合、秋田までなら2830円、青森までなら3150円という特急料金の支払いが必要になります。乗車したい!という場合には、料金などを良く見極めて、ご利用ください。

ただ、個人的には、絶滅寸前の夜行列車。独特の旅情を感じられる乗り物なので、出来るだけ長く残ってほしいと願います。