こんな風に空港が混雑する日はいつ来るのか?

コロナで世界は大きく変わってしまいました。日本でカナダで、そして世界各国で非常事態宣言が発令され、どこも鎖国状態です。

その影響でカナダ旅行、留学、ワーホリでの渡航を延期した方もたくさんいると思います。

一方、収束後を見据えて、再度計画している人もいるでしょう。

現実的に考えて年内は無理。早くても来春です。

私が住むバンクーバーの現況、バンクーバーがあるブリティッシュコロンビア州策定の経済再開プランからその理由を解説します。

カナダでは州政府の権限が強く、各州政府が経済活動再開プランを策定しています。また、国土の広いカナダでは州によって感染者数も大きく異なります。これからお話するのはバンクーバーのあるブリティッシュコロンビア州政府策定のプランに基づきます。他の州ではやや状況が異なりますが、大きな方向性では同じだとお考えください。

経済活動再開プラン 第一段階(5月中旬)

BC州政府発表の経済再開プラン。クリックするとプランの内容が見られます。(英語)

ブリティッシュコロンビア州政府はこの週末から経済再開プランは実行されました。第一段階は以下の通りです。

  • 医療サービス全般のオープン
    コロナに集中するために、緊急ではない医療をすべてストップしていましたが、これを再開。歯科、眼科、マッサージやカイロプラクターなどもこれに含まれ、通常通りの診察が可能となります。
  • 小売業全般の営業再開
  • 美容院や理髪店の営業再開
  • レストラン、カフェ、パブの営業再開
    具体的な数字は明示されていません。テーブル間の距離を十分に取るようにとの指示があるだけです。他の州では定員の半分と定めているところもあります。
  • 美術館、アートギャラリー、図書館の営業再開
  • オフィスでの労働許可
    ただし、基本リモート推奨です
  • レクリエーション、スポーツの許可
    プロスポーツは後述します。
  • 公園、ビーチなどの屋外スペースのオープン
  • 公共交通機関の運行を通常通りに
  • 保育所、託児所のオープン

経済活動再開したものの、十分な換気、ソーシャルディスタンスの維持、握手の禁止など基本的な予防策は変わりません。

そして、感染爆発が起きない限り、6月よりの次の段階に移ります。

経済活動再開 第二段階(6〜9月)

  • ホテルとリゾートの営業再開
  • キャンプを含む、より広い屋外スペースの営業再開(6月)
  • 映画産業の営業再開
    バンクーバーはハリウッド映画やドラマの撮影がものすごく多く、主要産業と言っても過言ではありません。その野外や屋内ロケの許可という意味です。
  • 映画館と交響楽団の営業許可。ただし、大規模なコンサートやイベントは不可
    私の理解では、おとなしく座って見るものなら許可。騒ぐものはダメってことかと。
  • 大学、短大、専門学校などは原則9月より開始。
  • 幼稚園から高校までの教育は原則9月より。ただし、希望者は6月から通学可能。
    といっても、6月の最初の3週間だけで、それ以降は夏休みに入ります。夏休みを削ってまでやるということはありません。

カジノ、ナイトクラブは今後の状況次第ということで保留になっていて、タイムラインも設けられていません。

収束するまで再開されないもの

カナダでもマスク姿の人は普通になった

州政府の見解では、以下の3点のいずれかが達成された時をもって、収束と考えられるようです。

  • ワクチンの開発と十分な流通
  • 十分な効果が得られる抗ウイルス薬の開発と十分な流通
  • 全員感染による抗体獲得

そして、以下の産業に関しては、この動向を見ながら判断するということで保留になっています。

  • 50人以上が集まるイベント
  • コンサート、ライブ
  • プロスポーツ
  • コンベンション
  • インバウンドツーリズム

ワクチン開発については様々なニュースが飛び交っていますが、ブリティッシュコロンビア州政府では12〜18ヶ月はかかるという前提で進んでいます。

当面、カナダへの旅行は無理

カナダに来る日本からの観光客はカナダにとってのインバウンドです。したがって、ブリティッシュコロンビア州の考えでは、収束するまで外国人旅行者は受け入れないという方針ということです。あくまで現時点での話ですが、それはこれから12〜18ヶ月の間、カナダへの旅行はできないことを意味します。

また、カナダ政府により法制化されている、到着後14日間の自主隔離は続行中です。いつ解除になるかも明言されていません。

ちょっと話が横道に逸れますが、これは強制ではありません。事実、アラスカクルーズの出発地点であるバンクーバー港は

「自分たちは連邦政府の管理下にあるため、州政府ではなく連邦政府の決定に従う」

との見解を発表しています。ちょっとややこしいのですが、例えるなら

「大阪府がダメって言っても、日本政府はそんなこと言ってないから、私達は通常通りやりますよ」

という感じです。

とはいえ、クルーズ会社は今年のツアーを全てキャンセルしているところが多いので、いくらバンクーバー港が受け入れ体制を整えても、ツアーがない可能性の方が高いと思われます。

その反面、バンクーバーにおける夏のクルーズビジネスは観光業の柱。その影響を受けている事業者は数え切れないほどなので、仮にバンクーバー港が本当に受け入れた場合、一定の後押しを受けることが間違いなく、州政府は難しい舵取りをしないければいけません。

留学やワーホリはどうなのか?

留学に関して言えば、学校そのものは9月から通常通りになると思います。ただ、それに合わせてカナダに来られるかというと別問題です。

14日間の自主隔離はそのまま続行している可能性大ですし、ホームステイされる方なら、受け入れ先を探すのも基本無理でしょう。州政府が海外からの旅行者を受け入れないという方針を打ち出している以上、旅行者ではなくとも、海外からの学生を受け入れるリスクを取るホストは限りなくゼロです。

ホームステイせずに自分で家を探すとなると、さらにハードルが上がります。コロナの収束が見えない状態の中、異国の地で一人で暮らしを始めるのはリスクが高すぎます。

ワーホリについても同じようなことが言えます。現在カナダ政府はワーホリ制度を一時凍結中です。これから申請を考えていた方は、来年以降に仕切り直しになります。現時点ではいつ再開されるかの目処も立っていません。

それでは、他の州の状況についても少し触れておきましょう。

感染者数は他州ではもっと深刻

1日あたりの新規感染者数を示すグラフ 出典:Global Canada

カナダの主な州の感染者数などのデータをざっくり見ておきましょう。

州(主な都市)感染者数
(完治数)
死亡者数
ブリティッシュ
コロンビア州
(バンクーバー、ビクトリア、ウィスラー)
2,428人
(1,908人)
141人
アルバータ州
(カルガリー、カナディアンロッキー)
6,587人
(5,377人)
126人
オンタリオ州
(トロント、ナイアガラ、オタワ)
22,313人
(17,020人)
1,858人
ケベック州
(ケベック、モントリオール、ローレンシャン高原)
42,183人
(11,458人)
3,483人
プリンスエドワード島27人
(27人)
0人
ノースウエスト準州
(イエローナイフ)
5人
(5人)
0人

アルバータ州は感染者数は結構多いのですが、ここはカナダで一番検査数が多いため、そこまで数字ほど深刻ではありません。

やはりケベック州とオンタリオ州の数が飛び抜けです。この2州は人口も多いのですが、それを考慮してもやはり突出度は高いです。こうしてみると、秋に紅葉の名所であるメープル街道があるオンタリオ州とケベック州へ9月に行くのは非現実的です。

プリンスエドワード島とイエローナイフに関しては現在収束していますが、逆に外部からの感染防止に努めています。

GW前に沖縄に来ないでください!って日本のニュースでも言ってましたが、同じことです。プリンスエドワード島やイエローナイフは、海外はもちろんのこと、他州からのアクセスも原則禁止です。

イエローナイフは冬のオーロラツアーで人気ですが、冬になっても厳しいと思います。コロナが収束していない段階では外部からの人の流入は極力避けると考えられます。さらに次の冬にはコロナの第二波が来るかもしれまないという前提で考えておかないといけません。

大半のフライトがキャンセルされている

現在カナダへのフライトは非常に限定されており、カナダへの渡航自体が難しくなっています。

  • 日本航空(成田〜バンクーバー)週1便
  • 全日空(羽田〜バンクーバー)週3便
  • エアカナダ(羽田〜トロント) 6月2日より週3便の運航予定
  • エアカナダ(成田〜モントリオール) 6月24日より毎日運行予定
  • エアカナダ(成田〜バンクーバー) 6月1日より週4便運航予定
  • エアカナダ(関西〜バンクーバー) 6月24日より週5便運行予定

日本航空は6月30日まで、全日空は6月15日までこのスケジュールで確定済みです。

エアカナダの成田〜モントリオールと関空〜バンクーバーはまだ分かりません。減便されても全くおかしくありません。特にエアカナダは20,000人以上をレイオフを発表しました。いきなり通常通りのフライト数に戻すことは考えられません。

また、今はほとんど空気を運んでいるだけという状態でしょうが、少ない便数の中で需要と供給が一致すると値段が上がって、チケットが取れないという状態になるかもしれません。

まとめ

このように、自粛緩和に踏み出したカナダですが、それでも事実上の鎖国状態は続いています。カナダを含め、世界中の観光業は厳しいですが、当面、国内旅行者の需要創出に努め、生き延びていくという選択肢しかありません。

現段階では、カナダは海外からの旅行者の受け入れに事実上ストップしている状態なので、カナダ旅行は来年と考えておいて間違いないと思います。