以前、毎年アップしていた「オーロラ観賞地として知られるイエローナイフに自力で行ったら、どうなるのか?」というお題ですが、過去記事にアクセスを頂いておりますので、情報をアップして2018年~19年シーズンとしてまとめてみます。
パッケージツアーを比較対象として
「イエローナイフ オーロラ ツアー」で検索してみると、多数のパッケージツアーがヒットしますが、大手旅行会社の中で知名度が高く、価格の安いH.I.S.のツアーを比較対象にします。
【得Buy】オーロラ観賞ツアー3回&防寒具レンタル付! 冬のオーロラ イエローナイフ5日間 ディスカバリーインに滞在(ツアーコード:TC-CYZ0646-A5)
このツアーの出発日の中から最低料金に該当する11月22日出発の199,800円を比較対象にします。
料金には燃油サーチャージは込みになっていますが、諸税は含まれていません。乗り継ぎパターンにより請求額が異なりますが、バンクーバーとカルガリーを経由する最も高いパターンを想定します。内訳は以下の通り。
- 成田国際空港施設使用料大人:2,090円(子供:1,050円)
- 成田空港旅客保安サービス料:520円(子供同額)
- 航空保安料:2,470円(子供同額)
- バンクーバー空港施設使用料(帰国日国際線出発分):1,900円(子供同額)
- バンクーバー空港施設使用料(到着日国内線出発分):480円(子供同額)
- カルガリー空港施設使用料(到着日国内線出発分):2,850円(子供同額)
- エドモントン空港施設使用料(帰国日国内線出発分):2,850円(子供同額)
上記諸税の他に、1月7日以降の出発では国際観光旅客税が国際線出発乗客に対し一律1,000円(子供同額)が徴収されますが、これはツアーでも個人旅行でも同様にかかるものなので、ここでは計算に含めません。
よって、諸税の合計額は13,160円。旅行代金総額は212,960円。これをベースに個人で手配した場合の料金と比較してみましょう。
航空券の料金を見てみると
成田~イエローナイフの料金をエアカナダ公式サイトで見てみると、最低料金で往復139,690円でした。格安航空券を探せば、もっと安いものがあるかもしれませんが、この料金を前提にして、比較対象をしてみます。
このフライトですが、往復ともにバンクーバー〜イエローナイフ間は直行便を利用するスケジュールで、エアカナダを利用する場合、最も良い乗り継ぎパターンになります。このサーチャージ、諸税など全込み料金です。詳しいフライトスケジュールは以下の通りです。
■往路
成田 18:40 (エアカナダ4便) バンクーバー 10:20(同日)
バンクーバー 15:25 (エアカナダ8833便) イエローナイフ 18:54
■復路
イエローナイフ 07:00 (エアカナダ8834便) バンクーバー 08:46
バンクーバー 13:45 (エアカナダ3便) 成田 16:40(翌日)
ツアーで行くとバンクーバー〜イエローナイフの直行便になるとは限りません。旅程にも
「1回または2回乗り継ぎ」
と明記されており、バンクーバーの他にもう一度乗り継ぎが必要になるかもしれません。具体的には以下のような乗り継ぎパターンが考えられます。
■往路
成田 18:40 (エアカナダ4便) バンクーバー 10:20(同日)
バンクーバー 12:00 (エアカナダ212便) カルガリー 14:26
カルガリー 17:15 (エアカナダ8223便) イエローナイフ 19:52
■復路
イエローナイフ 06:00 (エアカナダ8226便) エドモントン 08:17
エドモントン 09:45 (エアカナダ239便) バンクーバー 10:30
バンクーバー 13:45 (エアカナダ3便) 成田 16:40(翌日)
バンクーバー〜イエローナイフの直行便の場合、バンクーバーでの待ち時間が長くなりますが、それでも経由地が増えるよりは良いでしょうし、バンクーバー空港ならスカイトレイン(アクセス電車)で10分ほどの場所にアウトレットモールがあるので、時間つぶしには最適です。ちなみにバンクーバー空港駅からアウトレットの最寄り駅であるテンプルトン駅までのスカイトレインは乗車無料です。改札横にある自動販売機で”Sea Island Only” Compass Ticketを入手しましょう。これは無料で発券され、このチケットで改札を抜けられます。入手方法は以下動画でご確認ください。
また、バンクーバーに長期滞在するので、バンクーバーまでの航空券だけを押さえておき、イエローナイフまでの航空券は現地で購入と考えておられる方もいらっしゃるようですが、成田~バンクーバー~イエローナイフの往復航空券を購入し、バンクーバーでストップオーバーにする航空券の方が、通常安くなるので、日本から通しの航空券を買うほうがおススメです。
さて、ツアー料金から航空券代金を引くと、残り73,270円になりました。これで現地滞在費用を賄えるでしょうか?
タクシーは呼ばないと来ない?イエローナイフ空港からダウンタウンまでの移動
イエローナイフ空港は非常に小さく、市バスなどの公共交通機関はありません。移動はタクシーが主な手段になりますが、ダウンタウンのメジャーなホテルである、デイズイン、クオリティーインスイーツイエローナイフ(旧イエローナイフイン)、キャピタルスイーツイエローナイフの各ホテルは無料シャトルバスがあります。
今回対象にしているツアーで使用するディスカバリーインにはシャトルがありません。なので、タクシーの利用となります。料金は片道$15.00〜$20.00程度。これに$2〜$3.00程度のチップを計算に入れておきましょう。空港にはタクシーがいないこともあります。空港内にタクシー会社への直通電話があるので、それで呼ぶことになります。ご注意を。
ディスカバリーインは本当に安いのか?
ホテル比較サイトHotelcombine.comで調べたところ、3泊で1室$453.50(税5%込)あたりが最安値。ツアー料金は2名1室料金が基本なので、この料金を2で割った$226.75を目安にしたいと思いますが、他のホテルを見てみると、カテゴリーがワンランク上のキャピタルスイーツイエローナイフが3泊で$500.40(税込み)で確保可能。この程度の料金差なら、無料シャトルバスの恩恵で往復のタクシー料金とほぼ相殺できます。ホテルでの居住性などを考えたら、キャピタルスイーツでの確保が正解ではないでしょうか。
よって、タクシー料金を計算に入れず、キャピタルスイーツの3泊の半分(2名1室と考えるので)、$250.20をホテル代金として計算に入れます。
オーロラツアーはいくら?
以前の記事でも書いたのですが、自力でオーロラを見に行くのは限りなく不可能です。町中では明かりが多過ぎて見づらいですし、郊外に行くにはレンタカーなどの足が必要。ただ、零下30度以下になろうという土地で、自分で車を運転して人気のない郊外に行くのはあまりに危険です。よって、ここはオーロラツアーを利用するしかありません。
パッケージツアーで使用されているのがオーロラビレッジという現地催行会社。この会社のオーロラツアーは1回$120.00+5%税金=$126.00。3回行くと$378.00です。パッケージツアーでは防寒具5点セットが付いているのですが、これが自力で行くと付けられません。じつはこれが最大の問題でして、極北の地ではスキーウェアなど、通常の防寒具ではまったく歯が立ちません。しかし、無いものは計算に入れられないので、ここはオーロラツアーだけを計算に入れます。(防寒具を入れたい場合の方法は後述)
合計すると・・・
為替レートとして、1円 = 0.011 カナダドル を使用します。1円単位は四捨五入します。
航空券 139,690円
ホテル 22,745円 ($250.40)
オーロラツアー 34,364円 ($360.00)
合計 196,799円
旅行代金総額は212,960円でしたので、16,000円ほど安くなりました。
ただ、実質的な為替レートはこれよりも悪いでしょうし、ツアーに入っている防寒具が含まれていない点を考慮すると、ほとんど差はないと言っていいいでしょう。自力で行くメリットはフライトスケジュールが自由に決められる点、ホテルがワンランクアップされている点です。
現地売りのパッケージツアーを利用して、防寒具を付ける
さて、極北の地では防寒具が問題ということですが、防寒具が欲しいなら、航空券をご自身で用意し、現地部分だけのパッケージツアーを使うと方法がおススメです。上のオーロラツアーでも紹介したオーロラビレッジ社がパッケージを販売しています。
オーロラビレッジ モーテル宿泊プラン(ディスカバリークラス宿泊) $738.00+5%税金=$774.90
上記パッケージツアーを使うと、日本からのパッケージツアーと同様に現地係員が空港からの送迎をしてくれますし、防寒具5点セットが含まれるので安心です。ただ、パッケージツアーを円換算すると70,445円になり、航空券代金と合算するとパッケージツアーの料金とほぼ同じです。
自分で航空券を手配した場合の最大のメリットは、現地での行程を自分で確定させることができることです。パッケージツアーでは、国際線までは指定されていても、現地到着の国内線フライトまで指定できることはほとんどありません。国内線によって、到着時間に差が出ます。最悪のケースでは到着が深夜に及び、実際に上で紹介したH.I.S.のツアーでも、行程表の中でイエローナイフの到着時間が13:30~24:30と大きな開きがあります。これは国内線の利用フライトによって、相当の差がでるということを示しますが、どこの空港でどれだけ待つかは、旅行日程表をもらうまで分かりません。日程表は出発2週間前くらいにならないともらえません。
自分で航空券を押さえるということは、現地での到着出発時間、現地で実際に使える時間など、旅行としてはごく基本的なことを明確にする方法です。
自力で行く場合の、デメリット
最後に自分で手配して行きたいという方に知っておいて欲しいのが、トラブル発生時の解決法です。
イエローナイフへは最低でも1回の乗り継ぎがあります。乗り継ぎでトラブルが発生すると自力で解決せねばなりません。航空会社との交渉を当然英語で行うわけです。
パッケージツアーで行くと、ツアーの種類にもよりますが、現地旅行会社のサポートが受けられるものがあります。実際、トラブルの現場に係員が来てくれるわけではありませんが、日本語でかけられるフリーダイヤルのサポートがあり、その場に応じたアドバイスが受けられるというのは大きな安心感に繋がります。また、ホテルのキャンセルやツアー内容の変更など、トラブルが発生した後も、スムーズな旅程変更を行ってくれます。(もちろんオーロラ観賞の回数は1回減ることもあるでしょうし、帰国日が延ばせるわけではありません)
こうしたサポートがあるのも、日本でパッケージツアーを購入するメリットのひとつです。
以上、オーロラツアーの選ぶ際、お役に立てれば、幸いです。
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