12月4日、東北新幹線の八戸~新青森間開業に伴い、在来線の八戸~青森間が経営分離され、第3セクターの青い森鉄道による運営となりました。
通常、こういった第3セクター路線では、JRパスの使用が認められません。たとえば、九州新幹線の開業に伴い経営分離された肥薩おれんじ鉄道(旧鹿児島本線の八代 – 川内)は、JRパスが使用できません。しかし、今回経営分離された区間は以下の条件に限り、JRパスの使用が可能となります。
※ジャパンレールパス公式サイトより引用
2010年12月4日より青い森鉄道線の青森~八戸間は、途中下車せず青森駅~八戸駅間を通過して利用する場合、 および野辺地駅を経由して大湊線へ乗り換える場合に限り利用できます。
(ただし、寝台列車を利用する場合は、青い森鉄道線の運賃・料金を支払わなければなりません。)
つまり途中下車しなければ、乗れるということですが、裏を返せば、この区間に実家があって、そこで降りたいというようなケースでは、青い森鉄道に乗った区間分の運賃が必要となります。また、寝台列車を利用する場合、別運賃が必要とありますが、これは上野~札幌間を運行する豪華列車「北斗星」、「カシオペア」のケースが該当します。JRパスユーザーで北斗星やカシオペアに乗られる方はあまりいないと思います(特急料金+寝台料金の追加で料金が高く、しかも予約が取りづらい)ので、この点はあまり影響はないと思います。
今回このような措置が取られたのは、経営分離された区間にある野辺地駅から北へ伸びる大湊線(通称:はまなすベイライン)が、他のいかなるJR線とも接続しておらず、JRパスを使用して大湊線に乗るためには、青い森鉄道を使わざるを得ないと事情があるためです。因みに、JRが日本で発売する各駅停車乗り放題切符「青春18きっぷ」でも同様の措置が取られています。
大湊線といわれても、ご存じない方も多いかと思いますが、新幹線開業に伴い、新青森~大湊間で「リゾート下北あすなろ」とよばれる観光列車が運行を開始しました。ハイブリッドトレインという新造車を使い、陸奥湾が一望できる大湊線を走るので、東北方面へJRパスでの旅行を考えている方なら、候補に入れても良いと思います。