VIA鉄道カナディアン号 乗車記その7 昼食とカナディアンロッキーの車窓からの続き
カナディアンロッキー第二のリゾート、ジャスパーに到着です。到着は定刻より20分遅れの16時20分。
カムループスでは1時間20分遅れだったのに、1時間遅れを取り戻したということになります。順調に走ったら、ジャスパーには2時間くらい早く着いてしまうのでしょうか??? 一体どんなダイヤで走っているのか、全く持って不明です。
さて、この列車はどちらから乗るにせよ、バンクーバー~ジャスパー間の一番人気の区間なので、ここで降りるお客さんが大半です。このまま旅を続ける私のようなものでも、降りることはできますが、降りてしまうと、発車間近の時間まで一旦列車のドアが閉まってしまうので、要注意。プラットホームにいるのも危険ということで、駅舎内に入るように促されます。
というわけで、駅舎の中に入りました。
チケットカウンター、レンタカーのサービスカウンター、小さな土産物屋さんがあります。
続いて、駅舎の外観です。
非常にこじんまりしています。この駅はバスステーションも兼ねており、バスは駅舎に向かって右側に停車場所があります。
ジャスパーの町は、駅の前を走るコンノートドライブという通りがメインストリートで、レストラン、土産物屋さん、ホテルなどは、この通りに集中しています。
駅舎のバスステーションと反対側は、ツアーバスの停車場所。列車から降りてくるお客さんを待っているバスがたくさん止まっています。
その場所から列車の全容が見えました。
停車中には、スカイラインカーのドーム部分の清掃も行われています。
定刻通りだと、ジャスパーには1時間半停車するので、割とゆっくりと駅の周りを見ることができました。
ジャスパーの町を実際に見るのは10年ぶり。カナディアンロッキーでガイドをしていた10年以上前、この町には毎週のように来ていたころが思い出されました。
さて、出発の20分ほど前になると、列車に入ることができるアナウンスがありましたので、車内に戻ります。
不思議なことに、出発するのに、列車はバンクーバー方向へバックを始めました。聞くところによると、隣の線路に停車している貨物列車が長いため、直進すると、その線路に合流し、前に進むことができないため、一旦バックし、貨物列車の向こう側の線路に入りなおして、先に進むということでした。
出発は10分遅れ程度に、さらに短縮していたのに、これで10分ほどロスしてしまいました。
ジャスパーを出発すると、バンクーバー出発時のようにシャンパンやカナッペなど、ウェルカムドリンクのサービスがありました。車内に流れる雰囲気も一気に変わり、激減したお客さんの数にあわせたように、のんびりとした空気が流れています。
ジャスパーを出発すると、すぐに夕食です。これもファーストシーティングをリクエストしていたので、17時30分と早い食事です。ただ、お客さんの総数が減っているので、テーブルにはかなり余裕がありました。とはいえ、相席になります。今回食事をともにしたのは、トロントまで全区間乗り通す、大学院生のお兄ちゃん、それと車内のライブイベントで演奏しているミュージシャン2名。ランチの際のおばちゃんたちと違い、差しさわりのないトークが中心でした。
夕食のメニューは、スープかサラダの選択、メイン4種からの選択、そしてデザートでした。
メインは、ラム肉のロースト、帆立の貝柱の鉄板焼きとパスタ、鴨肉の鉄板焼き、ベジタリアン・チリの4種。
まず、スープとサラダの選択は、スープで。オニオンスープでした。
そして、メインは帆立の貝柱を選択。
デザートはチーズケーキの3種ベリーソースでした。見た目ほど甘くなかったのは、私の舌が北米仕様になっているからかも知れません。
ところで、この夕食中、列車が20分間停車しました。これも貨物列車との待ち合わせだったようですが、アナウンスでは、
「信号待ちです。もうすぐロッキーを出ますので、この素晴らしい景色を存分に楽しんでおいてください。(笑)」とのこと。
日本でやったら、大クレームになりそうですが、それが許されてしまうのも、カナダならでは。
ジャスパーを出ると、1時間ほどでカナディアンロッキーを抜けてしまい、特に見るべきものはなくなってしまいます。ただ、進行方向の逆方向には夕焼けがきれいに見えますので、私はスカイラインカーの最後部で、ずっとそれを眺めていました。下の写真みたいな感じですね。
何もないといえば、何もないのですが、カナダの大部分はこんな風景のところなので、これがカナダらしい風景とも言えます。
そして、私の目的であるエドモントンに到着。
23時到着予定が23時40分。また、遅れが拡大していました。
以上、8回に分けてお送りしました、VIA鉄道カナディアン号によるバンクーバーからエドモントン、約27時間の旅のレポートでした。
VIA鉄道カナディアン号の旅予定を立てられる際、少しでもお役に立てれば、幸いです。