今日はこんな記事を見つけました。
和歌山県のインバウンド偏差値、実はこんなに高かった!「空港無し」の観光地の戦い方:欧米人観光客3割を実現した3つの取り組み: 和歌山県は、日本屈指の有名観光地である京都や大阪に隣接しながら、訪日外国人観光客の訪問率・訪問数ともに平均以上を記録しています。… https://t.co/hlMeIyAC6V pic.twitter.com/RHpsTCuCh7
— 訪日ラボ (@honichi_lab) December 26, 2019
いろいろな成功事例が記されているのですが、自分なりに掘り下げてみたいと思います。
二次交通問題の解決
空港から高野山までのリムジンバスとか、高野山と熊野を結ぶバスの整備、多言語の乗換情報を提供とありますが、インバウンドに取り組むなら、これは必須と言えます。
レンタカーで訪問する旅行者もいるでしょうが、やはり見知らぬ土地では公共交通機関を利用する人が圧倒的。なので、バスや鉄道のアクセスルート整備は必須。とはいえ、それがなかなかできないのも現実。アジア方面からのLCCの発着が多く、インバウンドを積極的に取り込んできた関空、同じく高野山をテリトリーにする南海電鉄グループの存在がそれを可能にしたと思います。和歌山県だけではなかなか難しかったのでは?
なぜ、欧米旅行者は高野山や熊野古道が好きなのか?
この地域が世界遺産に指定された、ミシュランの3つ星を取った。もちろん、これらは大きな要因ですが、そもそもこの地域にそれだけのポテンシャルがあったということです。それがこの記事のタイトルにもなっている3点……
- 歴史
- 宗教
- 自然
だと思います。
高野山は言わずとしれた、真言密教の総本山。私も2年ほど前に訪問しましたが、京都や奈良では得られない荘厳な雰囲気に圧倒されました。より深い体験がしたい人には宿坊もありますし、宗教的なバックグラウンドが強い欧米旅行者にとって、非常に興味深い場所に違いありません。
そして熊野は熊野神社の総本社であり、神道の真髄を感じられる場所です。つまり高野山から熊野へのルートは密教から神道へと、これ以上ないスピリチュアルな体験ができるエリアと言えます。
高野山と熊野の歴史的な場所であることも重要です。熊野のルーツは日本書紀の時代に遡り、空海が高野山を開いたのは平安時代。1,000年以上の歴史を誇る場所なので、欧米旅行者、特にヨーロッパ各国からの旅行者にとっては、より興味深い場所と言えます。
そして、最後に自然。欧米旅行者には「歩き」を楽しむ人が多いのも特徴です。元来持っている民族的なキャラクターもありますし、最近のエコツーリズムの影響もあると思いますが、その土地を実際に歩いて、自分の目で楽しむというスタイルを取る旅行者が多いと思います。
高野山と熊野古道は自然に恵まれ、まさに歩くのにぴったりと言えます。
このように欧米旅行者の興味を引くには十分な要素が揃っているのが、高野山と熊野が最強である理由でしょう。
日本には、これに近い要素を持つ場所がもう一つあります。それが中山道の宿場町である妻籠・馬籠です。高野山や熊野古道ほどの歴史はないにしても、侍の時代である江戸の宿場町の間を歩くというのは魅力的です。自然にも恵まれ、武士道といったスピリチュアルな要素も多分に含んでいます。
他の地区でも可能性があるのでは?
というわけで、宗教(=スピリチュアル的なもの)、歴史、自然の三位一体が最強であるという自分なりの解釈でした。
自然を歩くだけなら、ヨーロッパにも北米にも場所はいくらでもあるわけで、日本ならではの宗教的な要素とか歴史とかを組み合わせることで、より魅力的な場所になるんだと思います。
他の場所だと、恐山、高千穂などはもっと伸びそうな漢字がします。
恐山はポテンシャル十分なんですが、いかんせん遠い。青森や八戸あたりから、もっと簡単にアクセスできるようになれば、良いのですが、それが難しいですよね。一番投資できそうなのはJR東日本だと思うので、頑張ってほしいですね。
高千穂は結構訪日旅行者が多いと思うのですが、ポイントが点在していて、今ひとつ線になってないと思います。これが歩くルートとして確立できれば、もっと良くなるのではなないでしょうか。
恐山なら大間のマグロ、高千穂なら地鶏と、食事面のアドバンテージもあるので、もっともっと伸びるはず。
以上、思いっきり私見に満ちた分析でした。