大陸横断鉄道としても知られているVIA鉄道のカナディアン号。私が最後に乗ったのは10年以上も前のことで、かなり記憶もあいまいになってきました。しかも、当時旅行会社に勤めていた私は業務での乗車。お仕事優先で、今思えば、完全な乗客目線で物事を見えていませんでした。
そこで、今回は100%乗客目線で見ることを主眼に、カナディアン号に乗車。一人用個室寝台を押さえ、バンクーバーからジャスパーまで、26時間半の乗車。
本当はバンクーバー~ジャスパーだけで良かったのですが、翌日フライトでバンクーバーに帰ることもあり、エドモントンまで乗車。この26時間半で、車内を徹底取材しましたので、その様子を記事にします。日本語サイトで最も詳しい内容にすべく、細かいところまでこだわって書きたいと思います。
まずはバンクーバー駅でのチェックインなどの様子からスタートします。
バンクーバー駅でのチェックイン
さて、VIA鉄道のバンクーバー駅はダウンタウンからやや離れています。スカイトレインに乗って、メインステーション駅が最寄り駅。
メインステーション駅を出ると、VIA鉄道のバンクーバー駅はすぐ目の前。
チェックインカウンターは入って左側。右側はバスステーションです。
持ち込み可能な荷物の大きさはVIA鉄道の公式サイトに記載されています。
預ける荷物がなければ、特に何もする必要はありません。乗車案内の時間まで待つだけです。
エコノミークラスの乗客は、駅舎内で待ちます。
駅の中にはマクドナルドがあったのですが、現在は閉店してしまい、バスステーションのサイドに寿司屋があります。ただ、こちら風のお寿司屋さんなので、過度な期待は禁物。
寝台車クラスの乗客は専用ラウンジ、「パノラマラウンジ」があります。
さて、寝台車クラスの乗客ですが、パノラマラウンジの屋外スペースからプラットホームに移動します。なので、ラウンジ内にいてないといけません。しかし、ラウンジ内にいてと案内放送などは聞こえず、いつ乗車案内が始まったのかも分かりませんでした。放送が聞こえずとも、周りの雰囲気で分かりますが、ちょっと注意が必要です。
寝台車クラスにバンクーバーから乗車する場合、パノラマラウンジで待ちましょう!
VIA鉄道の案内などでは、寝台車クラスの乗客が優先乗車できると書かれていますし、実際、東部でVIA鉄道に乗車した際には、そのように案内されましたが、バンクーバー駅では先にエコノミークラスの乗客が案内されていました。理由は後述。
さて、スタッフによるチケットのチェックが終わり、ホームに入ります。日本のように自由にホームに入って、自分の車両に行くわけではありません。どちらかというと、列車というよりも、航空機のチェックインや搭乗案内と同じような方法です。
目の前には、カナディアン号のアイデンテティーとも言える最後尾の展望車パークカー!
しかし、パークカーの横にも、カナディアン号の車両があります。そして、最前部に移動すると・・・
機関車がない・・・
カナディアン号は編成が長過ぎて、バンクーバー駅に収まりきれません。なので、編成を2つ割って停車しているのです。パークカーの隣に止まっていたのは、この前部に連結するもので、そこがエコノミークラスの車両。つまり、エコノミークラスの乗客の乗車が完了しないと、編成を動かして、寝台車クラスの編成の前に連結することができません。エコノミークラスの乗客を先に案内したわけです。
このカナディアン号の車両編成は以下の通り。
機関車も含めると24両編成。東海道新幹線が16両編成ですから、その長さがお分かりいただけるかと思います。編成の長さは季節によって変わりますが、夏場は機関車を除く22両編成が基本のようです。
バンクーバー駅では機関車から5号車までと、6号車以降に分割されて停車していたわけです。私が機関車がない!といった場所は、7号車の食堂車でした。
私の車両は8号車。最後尾のパークカーから歩くと、実に16両分なので、遠い遠い・・・
さて、寝台車クラスの乗客のすべて乗車し終わると、かすかな衝撃があったので、5号車より前の部分が連結されたのではないかと思います。
では、いよいよ出発です。